カシューナッツ農園を見学してきた話

カンボジア

カンボジア在住 つっしーです。

先日、友人の紹介で KOSAL FARMS さんの農園に見学に行ってきました。
こちらの農園ではカシューナッツやマンゴーやバナナ、ココナッツなどを栽培されています。

カンボジア産カシューナッツは世界シェア2割ほどを占めるだけでなく、粒が大きく甘さとコクがあると評判です。

毎月色々な農家さんを訪問していますが、今回もたくさんの学びがありました。

農園までの道のり

普段住んでいるプノンペンから、今回訪れる農園があるプレアヴィヒア(Preah Vihear)まではバンで向かいました。片道10ドル(1,500円)です。

トヨタのバンで乗り心地は快適です。

ちなみにプレアヴィヒア(Preah Vihear)はカンボジアの中央からやや上よりにあります。プノンペンを朝7時過ぎに出発し、休憩をはさみつつ11時頃に到着したので4時間前後というところです。

赤点線がプレアヴィヒア州 map.google.com より

バンからの景色はこんな感じ。行く道中には建設途中のSEZ(経済特区)などもあり国道沿いに発展が進みつつある印象です。

道端の木々にマンゴーが続々となっていました(カンボジアでは3月からシーズン)

農園の様子

バンを降りてからは、日本語を流暢に話す園主のKOSALさんの案内で農園へ。一面見渡す限りカシューナッツの木々に覆われていました。ここの園地はだいたい40haぐらいあるそうです。

訪れたのは2月半ばだったので、カシューナッツの果実はまだ小さかったですが沢山の花が開花していました。花の受粉は基本的に風や鳥などによって媒介されるようです。

果実がかなり大きくなっているものがいくつかあり、ありがたいことに収穫させてもらえました。赤色の部分はカシュ-アップルと呼ばれ、そのまま食べるととてもジューシーでしたが渋柿のような渋さがあります。渋みを処理したうえでジャムや酒にする人もいるようです。

カシューアップルの部分が大きいですが、ナッツもかなり大ぶりです。

ぶら下がっている硬い殻に入った勾玉型の部分がカシューナッツです。このカシューナッツを収穫した後は充分に乾燥させ、 殻剥き をして、再度乾燥させていくと私達が目にするカシュナッツの姿になります。

殻剥きの工程も少し見せてもらうことができました。

中央の三角の歯の部分でカシューナッツの硬い殻を割ります。

園内にはカシューナッツだけではなく、バナナやココナッツなどたくさんの果樹が栽培されていました。

バナナも大きく実っていました。かなりの重量を支えてますが木ではなく多年草です。
ココナッツはコメなどに比べると収益性高い農作物の一つ。

KOSALさんがいくつかの果樹を育てている理由として「リスク分散」を考えていると教えてくれました。

カンボジアではコメ農家さんを筆頭に単一作物のみで生計を立てている人がほとんどですので、今後の農家さんに重要な考え方の一つだと感じています。

庭先にあったマンゴー。この時期カンボジアの至る所で見られます。
友人のNGOが植林しているモリンガの花。繁殖力の強さからカンボジアでも植林されていることが多いです。

あとがき

今回は農園見学の様子をお伝えしました。KOSALさんの「お客さんとの距離感を大切に、高品質なカシューナッツを届けたい」という思いが強く伝わってきた一日でした。

KOSALさんは各機関とも積極的に協力され、様々な新しいチャレンジに取り組んでおられました。また機会を作って再度農園を見に行きたいです。

日本語を話す農家さんに会うのが久々で、学ぶことが多い1日でした。

カンボジアでは農産物の付加価値向上を狙って、大小問わずカシューナッツを加工する工場の建設が進んでいます。「カシューナッツといえばカンボジア」と言われるような未来も来るかもしれません。

私の勤めるカセカムタイムでは現地の農家さん向けにオンラインで営農情報を届けています。
最近、日本語でのnoteの発信も始めましたのでよかったら覗いてください。

日本語版 カセカムタイム|カンボジアの農業新聞|note
カセカムタイムは、情報が十分に行き届かないカンボジアで農家とみんなを繋ぐオンライン農業新聞です。このnoteでは日本語版として カンボジアの農業情報をお伝えしていきたいと思います。 noteで収益を頂いた場合には、カンボジア現地での取材やメ...

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